リーディング上演「ジョン・シルバー」稽古場レポート①

日本の戯曲研修セミナーin福岡 vol.2
唐十郎を読む! イメージを刺激する言葉

【リーディング上演「ジョン・シルバー」稽古場レポート】

2019.10.7初読み
文:石田聖也(実行委員)

今回のリーディング上演「ジョン・シルバー」は11月30日(土)〜12月1日(日)の二日間にわたっての上演です。去年は会期最後に発表という形でしたが、今年は序盤に上演することで参加者や観客と共に唐十郎さんの戯曲に出会うところからスタートしようと思っております。

研修参加者も唐十郎ファンも、研究者の方も、役者も作家も演出家も、是非是非お越しくださいっ。お待ちしております〜。

さて。

先日いよいよスタートした「ジョンシルバー」の稽古。

今年演出を担当していただくのは福岡を中心に活動する演出家、空間再生事業劇団GIGAの山田恵理香さんです。

稽古は30分ほど役者たちのウォーミングアップ後、それぞれ自己紹介と唐十郎さんとの距離感について話すところから。

「まったく知らない」

「脚本の上演を観たこと、やったことはないけど劇団の本読み会で読んで知ってる。状況劇場の周辺にいた人たちに好きな人が多い。」

「あまり知らないけど楽しみ。」

「ベンガルの虎を読んだことがある。」

「ジャガーの眼をヴィデオで観た」

などなど、人によって唐十郎さんとの距離は様々。

これから創作・上演、研修と続いてどう変わっていくのか楽しみです。

山田(演出):まだこの戯曲を声で聞いたことがなくて、男性キャストが3人ほどまだ足りていないんだけど演出で解消できるかどうか考えたい。唐十郎さんが身近な人も馴染みのない人もこのオープニングリーディングで知ってもらいセミナーに入っていけたら良いと思ってる。私は新宿でテント芝居を観て、外のいろんな声が聞こえてくる中でメイクしてる人、おっぱいボロンって出てる人とかいて非日常感やインパクトが凄かった。戯曲は劇団で読んで面白かったけど立ち上げまで行かなかったけど、今回は最初の文章で上演を決めた。

その後、今日はとりあえず読んでみようってことで。

1幕、2幕の間に休憩入れつつ初読みをしました。

戯曲研修セミナーin福岡は二年目の開催。

去年もおこなったリーディング公演ですが、ト書きまで声に出して読んでみる。といった特徴もあります。普段の上演とはまた違った楽しみ方と戯曲との出会いがあります。

初読みを終えての感想等、

「わからなかったけど、役者が目の前にいて演技すると面白いかも。」

「女性3人かわいい。子供7回堕すって、、、。」

「ネットであらすじ見てきたけどまったく追っていけなかったけど、飽きずに最後まで読めた。」

「すごい面白かった。床屋や小男の台詞が良かった。目を瞑って長い台詞を聞いてみると、その人と一体化していく。死人番号好きなんだなぁ。宝島読んでなくてその教養がないから聞いているだけだとイメージがわからない。古い物を持っちゃダメ、の象徴としての床屋が良い。」

「テンポ良くて飽きなくて、あのねのね?など昭和ボケ的な面白さ。」

山田(演出):ベケット「ゴドーを待ちながら」の構造。不条理からドラマへの転換を感じる。ユーモアのある本で良かった。楽しませたいっていうのを感じる。リーディングでやった方が良いこと、やらない方が良いことなど考えていきたい。

そんな感じで稽古初日が無事終了。

リーディング稽古も含めての戯曲研修セミナーってことで、これからも様子など発信していきますね〜。 会期まで1ヶ月ちょっとありますが、唐さんの戯曲など気になったら本屋さんで手にとってみてください。個人的には戯曲が声に出して読んでみるのが楽しいですよ。では。

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