日本の戯曲研修セミナーin福岡 vol.1寺山修司を読む!「社会をふりむかせる」をふりかえる
【 映像&トーク〜寺山修司とその作品を知ろう 編①】
文:石田聖也(実行委員)
映像&トークでは、寺山修司の遺した作品の映像やトーク映像を鑑賞しました。映像鑑賞後はゲストと共に「寺山修司」や「社会をふりむかせる」をテーマにトークを行いました。
◼︎2018年12月7日(金)14:00~映像上映『ヴィデオ・アンソロジー』
ゲスト:糸山裕子(AMCF)聞き手:石田聖也(演劇ユニットそめごころ)
この日は寺山修司のインタヴューや過去作品の映像などが収録されている『ヴィデオ・アンソロジー』の上映後、トークが行われました。
トークゲストはアートマネージメントセンター福岡の糸山裕子さんです。
糸山さんの所属されていた演劇実験室◎万有引力は、天井桟敷解散後、音楽と共同演出を担当していたJ・A・シーザーと天井桟敷の劇団員31名とで結成された劇団です。
〜以下上演後トーク〜
糸山:寺山さんは逆輸入って感じ。日本的な美、アジア的なまめかしさ。身体の使い方などは記号的な技術が必要だった。万有は森下スタジオで真昼間から稽古をしていた。ラジオ体操、走る、筋トレ、大滅亡などのウォーミングアップで筋肉フェチ的な俳優の育て方。演出は理屈を持って喋って、俳優はそれをこなしていた。新劇=演劇論、寺山劇=アスリートってイメージ。若い人にとって、アングラってどうなの?
石田(聞き手):僕らの世代はアングライメージへの誤解がある。白塗りで過激、前衛的とか。調べてみると、学生運動の流れと、若い人の社会との距離を繋ぐ手段として使われている印象。
糸山:社会が混沌としている方が、面白い作品になってきた。今F /Tとか中東にこだわってる人たちとか、表現せずにはいられない人たちがうまれるので、そろそろ演劇が面白くなってくるだろう。この前、沖縄で公演した時にたまたま沖縄の県知事選で新聞バーンと5段抜きだった。今は、価値観がまとまらない時代。寺山さんは、みんながまとまれた時代だったし、新劇の方も社会を糾弾していた。けど、表現の方法が全然血が違った。みんながデモ行ってる時、寺山さんは短歌など自分の分野で、芸術の中で表現していた。表現せざるをえない人とか、生きていけなかった人。パッションが強いのは意図しているわけじゃないから、言葉が強い、想いが強い、というのはもって生まれたものかなぁー。サブカルを芸術の中にとりいれたりも自然に上手だった。プロデューサーだったと思う。時代を読んで「これやればウケる!」って思ってたのかも。
お母さんに認められたいってのもあったのかな。
これからは、地方間競争が大切、渇望感がないとやっていけない!
是非、自分の中につくってください。
参加者Q:万有の人はアスリート的。グループで創作ってのはあった?
糸山:社交ダンスをしてみよう。ってなってた。一人ずつの特徴を少しずつ活かしていて、大滅亡は、それを抜き取るのがうまい。バタバタする動きが一人ずつ違う。男は男、女は女という扱いをされていた。
参加者Q:筋肉発達しそう。
糸山:筋肉は平等でも、男、女、性的なことは女神様のようになってた。
〜この日のトークは終了〜