日本の戯曲研修セミナーin福岡 vol.2唐十郎を読む! イメージを刺激する言葉
リーディング上演「ジョン・シルバー」稽古場レポート
2019.11.10 半立ち②
※文 石田聖也(実行委員)
この日も寝ニョロからのスタート!
その後、声出しまで各自で終わらせ半立ち稽古の続きを。
山田:前回は半立ちをしてみた。唐さんの戯曲って肉体がないと厳しいなぁ。ってことで思い思いに半立ちで動いてみて。半立ちの方が面白いね〜って意見があったりしたりとか。動きが見えてくるからやってみてよかった。最後まではいってなくてp113の小男が室内に入ってくるとこで止めたので、今日は続きをやりたいなぁ。半立ちすることで演出で見えてきたこともあったので。演じてる人が動く、台詞を言ってる人が動くより台詞を言ってない人達の動きとか、同じ場にいる人たちがどういうふうに場にいるのかとか。そういうことで動きが立ちがっていくといいのかなぁ。というのが前回。

山田:ト書きの動きというか脚本から見えてくる演技の部分でお客さんとシェアした方が良い見せ所を立ち上げることができたら。まだ男性陣の男性陣のキャスティングができてなくて、海の向こう側とこちら側みたいな感じで配役したいけどこの辺が14日の日になりそうです。今日はシルバーの替え歌も聴いたりしながら。
〜とりあえず続きから最後まで半立ちでやってみる〜

(この日も稽古にGIGA劇団員の八尋さん、そして福岡でフリーで活動されている峰尾かおりさんが来てくれて一緒に動いてみたり。)
〜ふりかえり〜
山田:なんか最後のシーンでストップモーションしてたのだれ?
五味:これ最後の小男。
山田:なんかずっとなんかしてるなぁって思って。このポーズなに?
五味:へへへ。って笑ってる。
山田:あーなんのポーズやろって思って。
五味:博物館に戻ったのかなぁってょっと見え方が少し変わって終わるのかなぁって。
ほたか:ストップモーションにハッとした。そんな感じなんだなぁ。
山田:今日来た人は後半だけですけど半立ちしてみて何かありますか?
梅田:脚本なんで。ト書きは立つために書いてあるから。やってみるとすごいなぁ。でも我々はこれをリーディングにしてって。ははは。さぁどうする。
あるじゃないですか?リーディングで立つやつ。あれみると離せってなる。
山田:離せってならないラインをしないといけないからね〜
梅田:そこを見つけないと。
山田:まぁ、離せって思われるほどの時間はきっとないだろうな。分けてやるのが一番いいのかなぁ。
梅田:ト書き読んでもらって動くと面白いけど、全部やると長くなるしね。
梅田:書いてあることを読まないってことはないっていう。
山田:そうですね。リーディングの定義で一番いいなって思ったのは、流山児さんが言った「言葉を耳で聞く、言葉を届ける」っていう。私もリーディングで面白いって思ったモノがなかったし、ちょっと抵抗があって。あんまり動くとこれリーディングじゃなくていい。ってなっちゃってリーディングってなんだろうってなっちゃうから。耳で聞くで想像できるといいんだけど、耳で言葉を聞くだけだと想像が辿り着かない時ってあって。多分ここの部分を想像させる動き。本来脚本に書かれているんだけど言語化されていないモノがあって、それを演出家とか俳優とかが書かれていない行間を読んでおそらく芝居にしてってるから、この行間の部分は立ち上げないといけないなぁって思って。そういうリーディングを目指したい。リーディングじゃない公演であっても、行間を読めない作品創りをしていたらそれは脚本を殺しちゃってるから。半立ちをやって一番面白かったのは書かれていない動きが、すごい必然であるんだ。と思って、これはト書きに書かれていないけど出てくるように書かれている。そういうところをなんとか伝えられたら。そうすると結構動いて稽古しないといけないなぁとか。行間の部分って演者さんの匙加減ってのがあって、それを演技者からもらった方が良いとしたら、14日には役を決めて台詞のないところの動きを埋めてって。言語表記されてないけど、起きるであろうことを。
中村:動いてる中で生まれる、台詞にはない音みたいなのもやっていくのかどうか。
山田;台詞を消さない範囲であった方が良い。
梅田:役者に自由度を持たせるかどうか。アドリブに言っちゃって、それ書かれてるんだって思われたら。まずいなら。
山田:できれば本番前までに出し終わってもらって、調整できるのが良いなぁ。
中村:唐さんの芝居って役者のアドリブってガンガン入ってくる芝居なんですかね。
山田:入りそうな感じはしますけどね。そもそも替え歌とかってね。一応、戯曲を紹介したいってミッションがあるから。
〜 休憩 〜
p96かごかきの所を抜粋して稽古。
今度はリーディングを意識して座った状態で、台詞を言ってる人、言ってない人の動きをルール決めて試していきます。
山田:立って動いたり、地べたに座るのはなしで、腰を落ち着けたい時は椅子に座ってもらって。椅子の上に立ってもらっても大丈夫。移動をなしでその場とかの感覚にしてほしい。
梅田:対象は前にいるとか?
山田:演技の対象は前にいると思ってもらおうかな。手を突っ込みたい籠が前にあると思ってもらって。顎を折られたとかは、この人が来たらやってほしい。架空の人がいる、一人芝居の感覚で。
- 次は真ん中の女だけ動く
- 次は横の男、手を入れるところとかは横の女の方にとる
山田:最後の一個前がしっくりはきてる。最後のやつも漫画っぽくて面白いところもある。サウナみたいなのをテーマにしようと思ってたから、最後の方がサウナ感はあるなって思ってて。今日最初言ってた博物館は一個前の方があって。
五味:口開けない方がサウナっぽい。
山田:どういうこと?
五味:えっさほいさとか。息使いとか漏らす感じ。口開かないで息使いだけで歩いてるとか。湿度みたいな。
山田:二番目が硬質さ、最後のが生っぽさがってると空間差があってある程度バランスも取れるかな。やっぱり読み手じゃない人の動きを見るのが面白いなぁ。私の中では動いてない人に明かりがいってて、台詞いってる人は漏れとかで。読みにくいって可能性もあるのか。みんな懐中電灯とか持ってやるしかないのかとか。
〜 終了 〜